学園戦隊 ドキドキ☆ビューティー
一体何を期待していたんだか…

「なんだぁ、つまんなぁい。会長達二人だけじゃなかったんだぁ」

全員の意見を代表して美華が言うと、雪野がさっさとドアを開けた。

「失礼しまーす」

勢いよくドアを開けると、中には遼と真美の他に、書記の月丘 姫がいた。

「あら、お帰りなさい、みなさん」

そう答えた真美の声は、心なしか冷たい。

「早かったな。もう、顧問の先生は決まったのか?」

そんな物好きの先生がよく見つかったものだ、と言外に言いながら、遼が歩み寄ってくる。

「書類を見せたまえ」

遼が差しだした手に、雪野が書類を渡す。

姫に聞こえないように、遼が雪野に

「月丘にも言うな」

と囁いた。

二人の仲は、本当に秘密なようだ。

雪野は微かに頷いた。

「顧問は沖先生か。新任だし、どこの顧問もしていなかったな。…これなら大丈夫だ。不備もない。では、同好会として承認しよう」

遼が言い切ると、姫が驚いて

「会議にかけなくていいんですか?」

と、当然の質問をする。

「じ、事前に申請があったので、今回は書類提出のみで承認することになっていたんです。私も同意しています」

真美が、慌てて姫に言いつくろう。

遼と二人でいた時とは、一人称が微妙に違うな~…などと、輪廻はいらないことに気付いた。

こういうのは、チェックしておくと、ネタとして使えるかも。

恋愛話は苦手なのだが、一応頭にメモしておいた。

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