学園戦隊 ドキドキ☆ビューティー
全員で部室に向かう。

今日はもう遅いから、そのまま帰ろうかとも思ったのだが、とりあえず部室を見てから帰ろう! と、全員の意見が一致したためだ。

「部室、部室♪」

輪廻が歌いながら歩くと、何故か美華とココまで便乗した。

「そっか、みぃちゃんもココちゃんも、部に入ってないから、部室に縁がなかったんだもんね」

自分も嬉しそうに、雪野が言う。

雪野は助っ人としていろんな部室に出入りはしているが、所属している部はない。

部室が欲しくて同好会を立ち上げたのだから、一番嬉しいのは雪野だろう。

ようやく部室にたどりつくと、右手に持ったカギを高く掲げる。

「このカギで! このドアを! いざ開けるわよ!」

そう叫ぶと、大きな弧を描いてカギを鍵穴に差し込み、身体ごと回転してカギを回した。

バァァ……ン!

叩き付けるようにドアを開けて、中をのぞく。

…別に、何の変哲もない、小さな部屋だ。

机とイスがいくつかと、ロッカーと、黒板がある。

「ここが、これからあたし達のアジトになるのね…」

感慨深げに雪野はそう言うと、つかつかと黒板に歩み寄った。


< 22 / 61 >

この作品をシェア

pagetop