学園戦隊 ドキドキ☆ビューティー
小テストが始まった。
香流は、大抵の成績はクラスでもトップクラスなので、あまり気合いを入れずにテストを受けていた。

ため息をついた後、ふと斜め前の席を見た時、香流は凍り付いた。

――カンニング?

それは、クラスメイトの男子生徒、吉良 楓。

しきりと机の下においた手のひらに目をやり、解答用紙に書き込んでいる。

――ど、どうしよう……

この場で言うのは、楓にとってきっと良くないに違いない。
何より、香流にそれを言う勇気はなかった。

しばらく悩んでいた香流は、さっさと小テストの解答用紙を埋め、手を挙げる。

「ジーナ先生! 具合が悪いので、保健室に行かせてください!」

実際、香流の顔色は、悩みすぎて真っ青になっていた。

ジーナはすぐ保健室に行く許可を出す。

「ちょっと、一人で歩くのが不安なので、もう回答も終わっているようなので天城さんに付き添って貰いたいんですが……」

香流がそう言うと、雪野は驚いて顔をあげたが、すぐに何かを悟って、回答を書き上げ、

「終わっているので付き添います!」

とジーナに告げる。

雪野の頭ではこの程度の小テストはお茶の子さいさいだ。

許可を貰うと、すぐに二人は教室の外に出た。


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