学園戦隊 ドキドキ☆ビューティー
「かおるん、真っ青……大丈夫?」

香流の顔色を気にして雪野がいたわるが、それより気になってることがあったのだろう。

「で、どうしたの?」

目をキラキラさせながら香流に聞いた。

「あの……カンニングしてるの見つけちゃったの……」

「誰?」

雪野の意気込みに香流は少したじろぐ。

「……」

黙り込んでしまった香流に、雪野は言う。

「もちろん、みんなの前でつるし上げたりしないよ。でも、カンニングはいけないからね。やめさせなきゃ。で、誰?」

「……吉良 楓くん………」

香流の言葉に、雪野は首をかしげる。

「あいつって、英語得意じゃなかったっけ? 成績も全体的にいい方でしょ? 英語のスピーチコンテストとかかなり上位まで行ってなかったっけ?」

こんな小テストで何もカンニングしなくても…と、二人は悩んだ。

「まぁ、こんなとこで話しててもしょうがない。かおるん、ちょっと待ってて」

そう言うと、雪野は出てきた教室にまたすぐ戻っていった。

< 27 / 61 >

この作品をシェア

pagetop