学園戦隊 ドキドキ☆ビューティー
これ以上は止めた方が良さそうだ、とすぐに判断した雪野は、美しくポーズを取りながら身を翻すと、香流のいる窓まで走って来る。

そのままの勢いで窓枠に手をかけると、華麗に逆立ち一回転をして廊下に出る。

慌てて香流はいそいそと普通に窓枠を乗り越え、廊下に出た。

雪野が人差し指をたて、水平にビシッと教室を指さす。

「何か言いたいことがある人は、放課後、ドキドキ☆ビューティーの部室までいらっしゃい!
来なけりゃこっちから行くからね!」

そう捨てぜりふを残すと、疾風のように走り去って言った。

「え…あ、ま、待ってよぉ!」

置いて行かれた香流は、とりあえずジーナに頭を軽く下げると、慌てて雪野の後を追った。

――まずいわ、このままでは休み時間になっちゃう!

必死に走る香流だったが、運動神経はあまりいい方ではない。

すっかり雪野に置いていかれてしまった。


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