学園戦隊 ドキドキ☆ビューティー
「え~! キラキラ王子がカンニング~!?」
二人して声を潜めて叫ぶ。

ばれたらマズイと悟ってのことか、ちゃんと声を潜める辺りはさすがだ。

「キラキラ王子?」

輪廻が聞く。

「りんりん知らないの?……って知らないか。
1年生にファンクラブまでできてるんだよ、吉良 楓って。名字からとって、『キラキラ王子 ファンクラブ』なんだって」

情報通のココが言うと、美華も負けじと続ける。

「生徒会長の森田 遼さんに次いで、校内2~3番目に人気があるんだよ!」

何故か得意げだ。

「ファンクラブ……ぷっ」

恋愛話に興味がないために、かなり小馬鹿にした輪廻の反応に、ココと美華が息巻く。

「人気がなきゃ、生徒会長なんてできないんだし! 楓くんだって、次期生徒会長候補なんだからね!」

と、何故か二人で楓を必死に弁護している。

……もしや二人とも、かくれ楓ファン?

「とにかく!!」

雪野が声を荒げて言い争いを止めた。
全員で雪野の方を向く。

めずらしく真剣な表情で、雪野が4人に言い渡した。

「その、キラキラ王子、同好会にもらうわ」

雪野の口調には逆らいがたいものがあった。


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