学園戦隊 ドキドキ☆ビューティー
そして放課後。(展開はやっ)

同好会の部室の前で、一人ウロウロ行ったり来たり歩き回る人影が一つ。

吉良 楓だ。

授業中の雪野の視線、発言から、自分に対して言っていることを悟った楓は、勇気を出して部室までやってきたのだ。

だが、やはり中に入る決心がつかない。

そのために、部室の前を行ったり来たり、くまのような行動をする羽目になっていたのだ。

その姿を、こっそり見つめるココ。

どのタイミングで、楓に声をかけて一緒に中に入るか…その時を見計らっていた。

「よし、今だ!」

ココが決心して、足を踏み出そうとしたその時!

ほんの少し空いていた部室の扉が、誰もいないのにいきなり、大きく開いた。

「え??」

思わずココは自分の目を疑う。

間近にいた楓は、もっとあせって、飛び退いていた。

しかし、楓の目線はすぐに足元に行く。

扉を開けたのは、何とちゃいるだった。

器用に前足を駆使して、少し空いた扉を器用に開けたのだ。

するり、と優雅に扉から姿を現したちゃいるは、そのまま立ち止まり、楓の顔をじっと見上げる。

そのまま、再び部室の方に向かって歩き、また立ち止まって楓の方を振り返る。

その姿は、楓を部室に案内しているようだった。

ふらふらと、誘い込まれるように楓は部室の中に吸い込まれていった。


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