学園戦隊 ドキドキ☆ビューティー
話の内容は、廊下にいたココと美華には聞こえない。

輪廻と楓が、とても楽しそうに会話をしているように見えて、二人は、ちゃいるに続いて輪廻にも出し抜かれたと、肩を落として落胆していた。

すっかり部室に入るタイミングを失った二人が、どうやって中に入ろうか相談しているところに、雪野と香流がやって来た。

「まいったまいった、今日は掃除当番だったもんで、遅くなっちゃったよ」

大きな紙袋を下げた雪野と、その紙袋を恨めしげに睨みながら歩いてくる香流。

何が入っているか知らないココと美華の筈だったが、何かイヤなオーラがその紙袋から漂ってくるのを二人は感じ取った。

――見てはいけないものだ……!

紙袋から遠ざかるように、ずりずりと後ずさる二人。

「何やってんの? 早く中に入ってよ。ココちゃん、キラキラ王子はどうした?」

三人の様子に気付かないのか、気付かないフリをしているのか、普通に話をしながら、雪野が扉を開ける。

「遅かったね~!」

輪廻が朗らかに全員に声をかける。
その側で、心なしか青ざめた顔の楓が、軽く会釈した。


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