学園戦隊 ドキドキ☆ビューティー
楓の姿を見かけて、ココと美華が食いついて部室に飛び込む。
出遅れた香流も、慌てて中に入った。

「っしゃ、全員集合だね!」

満足そうに、雪野が腕組みをして、頷く。

……あれ?
誰か忘れてませんか?

そのころ、忘れ去られた沖が、必死に部室に向かっていた。

「さて、吉良 楓。かえっちとでも呼んどこうかしら」

全員を前に、雪野がおもむろに口を開いた。

……いや、そのあだ名はどうなのよ?
キラキラ王子、一転、かえっち?

ココ、美華、それに何故か香流の鋭い視線が、雪野に集中する。

当然、雪野はスルー。

「かえるん、とかも可愛くない? カエルみたいで。あ、かおるんとかぶるからだめかぁ」

一人、呟く輪廻のセリフは、全員から聞こえないフリをされた。

「ここに来たってことは、覚悟の上ね?」

よく判らないセリフだが、楓は黙って頷いた。

「でも、どうしてカンニングなんてしたの? かえっち、成績はいいんでしょ? 英語だって」

雪野のセリフに、楓はうつむいたまま、楓がゆっくりと口を開いた。

「ジーナ先生の小テストだったから………」

真っ赤になって言う楓に、ココと美華が、不満そうな表情になる。

楓も、ジーナファンだったのか……と。

「それにしたって、あんな程度の小テストだよ? 何でカンニングなんてリスクを……」

首をかしげてさらに雪野が言いかけた時。

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