学園戦隊 ドキドキ☆ビューティー
しばらく腕組みしたまま、目をつむって聞いていた雪野は、おもむろに目を開けると、楓をじっと見据えた。

鋭い視線。

真っ直ぐな瞳。

楓は、思わず背筋を正し、雪野の視線を受け止めた。

雪野が、ゆっくりと口を開く。

何故か、緊迫した空気が流れ、全員が雪野のセリフを待った。

「……キラキラ王子、あんた同好会に入会しなさい」

……えっと、キラキラ王子って言ってますけど……。

微妙にみんなツッコミたくてツッコめない。

楓に至っては、おそらくそれが自分を指して言ってるとは思うが、何故王子なのか、訳が判らない。

本人は知らない呼び名だから当然だ。

「その代わり、あたしが勉強見てあげるわ」

ちょっと反っくり返って雪野が言う。

確かに、雪野は学年トップ、全国でもトップクラスの頭脳の持ち主だ。

だけど、それでも成績的には上位の楓の勉強を見る、とは……。

「記憶力はいいんでしょ? それなら、応用の方法も覚えちゃえばいいのよ。そんなの、パターンがいくつかあるだけなんだから、かえっちなら簡単に覚えられると思うよ。……ただし、多少の訓練は当然必要。そのためにも、同好会に入って貰って、この部室で勉強するのがいいと思うわ」

理路整然と言い放つ。

こういう時、実際雪野は頭がいいんだなぁ、と、全員妙に実感したりするのだ。


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