学園戦隊 ドキドキ☆ビューティー
そこへようやく、息を切らしながら沖が飛び込んできた。

うずくまる楓に寄り添うちゃいるを見て、愕然とした表情を浮かべる。

「ちゃ、ちゃいちゃん……」

うっすら涙目になっているあたりが、かなり危ない人のようだ。

事態が飲み込めない沖に、雪野が

「あ、沖先生。同好会のメンバーが一人増えたので、入会手続きお願いしますね」

と、しれっと言う。

その言葉に、また愕然とする沖。

楓の人気については沖も知っていたので、まさか雪野……!! と、勘ぐったのだ。

真っ青になり、呼吸困難になり、この世の終わりだという表情を浮かべた沖を不憫に思い、ココが沖に声をかける。

ただし、楓がカンニングしていた件は、さすがに教師たる沖に言うわけにはいかないので、そこはごまかして、マネージャー的存在としてスカウトしたことにして話をする。

楓を選んだ経緯については、香流が授業中に目をつけた事にした。
……雪野が誘ったなんて聞いたら、その場で沖が悶絶するような気がしたからである。

あながち、その推測は間違いではない……。

それでいいのか、沖!!

……しかし、誰も可哀想でツッコム事もできないのである……。

「じゃ、じゃぁ、この同好会入会書に署名して、生徒会室に提出しに行って下さい」

沖が、書類を楓に渡し、楓が受け取って、記入する。
二人の間に、目には見えない哀しげな絆が繋がれた瞬間だった。


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