学園戦隊 ドキドキ☆ビューティー
そう。
輪廻が描いたイラストでは。

仮面の奥から覗く瞳は、異様に星が飛んだキラキラ目で。(一昔前の少女漫画のものすごいヤツを想像してみてください)
歯もキラキラ。
背景にはバラとキラキラ星が飛び交っている。

「え、だって、キラキラ王子だし?」

輪廻としては、普通に答える。

楓は、訊くのも諦め、デザイン画を輪廻に黙って返した。

「ゆきのぉん、これでどうかなぁ?」

輪廻がそのイラストを見せると、受け取った雪野は右手の親指と人差し指で○を作り、覗き込んだ美華とココも
「かわいぃ~!」
と大喜び。

すねている沖は見もせず。

香流は、こっそり覗いて、ため息をついた。

美華とココは、そんな様子の香流に気付き、
「どうしたの?」
と、声をかけた。

香流の性格なら、一緒になってキャーキャー言いそうなものだが。

「二人とも、自分たちの衣装、見たの…?」

くら~く、香流が呟くと、二人は首を振った。

それまで普通にしていた二人だったが、香流の問いに、徐々に顔が青ざめていく。

「てか、衣装って……?」

ココがおそるおそる呟くと、待ってました、と言わんばかりに、雪野が満面の笑みを浮かべ、紙袋に手を突っ込んだ。


< 54 / 61 >

この作品をシェア

pagetop