学園戦隊 ドキドキ☆ビューティー
ゆきのんを除く3人は、香流の変身シーン(?)を目を皿のようにして凝視する。

ちょっと、照れてしまう香流だった。

「あ、待ってかおるん! そこ、もうちょっとリボン可愛くっ」

途中で、輪廻が微妙に手直しをする中、香流のコスチュームチェンジが終了した。

そのままだとかなり恥ずかしいので、仮面もつける。

……この仮面は、いろんな意味で必需品だわ……・。

香流は、これだけは忘れないようにしよう、と固く心に誓った。

「あ、着替えた? 沖先生、かえっち、もう見てもいいよ!」

雪野の言葉に、沖と楓が振り向く。

一度教室で見ている楓は、そんなに衝撃はなかったが、沖の唖然とした表情は、かなりの見物だった。

口をぱくぱくさせ、何も言えないでいる。

その沖の側に、すすす…と輪廻が近づくと、小声で

「これ、ゆきのんも着たんですよ…」

と囁いたものだから、沖はその場に崩れ落ちてしまった。

……その反応は、教師としてはいかがなものだろうか…

楓は、同じ男として多少の同情は覚えつつも、冷静な目で沖を見下ろしていた。

先ほど沖と楓の間に流れた絆が断ち切れ、キラキラ王子、同好会メンバーとして正式認定の瞬間であった。

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