学園戦隊 ドキドキ☆ビューティー
一方、ココと美華は、あんぐりと口を開けたまま、香流をひたすらひたすら凝視している。

輪廻は、
「そっかぁ、実際に着るとこんな感じになるんだね~。このあたり、もうちょっと変えた方がいいかなぁ?」
などと、香流の身体をいじくりまわしている。

香流の寂しげな瞳が、ココと美華に向けられる。

二人は、じりじりと後ずさりを始めた。

が、雪野の鋭い眼光に捉えられ、その場で石になる。

「うん、やっぱりかおるんのピンクは正解だったなぁ。可愛い可愛い♪」

輪廻が嬉しそうに手をうち鳴らすと、雪野もうんうんと頷く。

「かおるん、どう? 今日、後の3人の分も作って欲しいんだけど」

雪野が真顔で香流に問いかける。

石になったまま、ココと美華が必死に首を振る中、自分だけ衣装がある状況から、一刻も早く抜け出したい香流は、素早くOKする。

「帰りがけに、一緒に生地を買いに行きましょ!」

気合いの入った香流の返答に、満足そうに雪野が頷いた。

「作る前にさぁ、ちょっとお願いというか、気をつけて欲しいところがあるんだけど…」

コスチュームデザイン画を持って、輪廻が香流ににじり寄る。

まだ仮面を付けたまま、香流は覗き込んだ。


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