学園戦隊 ドキドキ☆ビューティー
…………


生徒会室に流れる沈黙の嵐。
その嵐はすさまじく、雪野をのぞく全員が、その嵐に翻弄されていた。

「……え? なに…それ?」

最初に正気に戻ったのは、嵐に負けなかったちゃいるを抱いた香流だった。

「だからね、この学校って風紀委員ってのがないじゃない? だから、乱れてる人が多いんだと思うの」

いや、あまり乱れてる人はいないと思うのだけど…

というむなしい抵抗の言葉は、別の嵐に吹き飛ばされて消えていった。

「あ……天城さん、だったよね?」

遼は咳払いをすると、イスに座り直した。
心配そうに寄り添っていた真美が、その肩に手を置く。
いちいち反応して、美華が小声でキャーキャー言うのは、軽く全員に流されていた。

遼の耳元に顔を寄せ、真美が小声で
「2年の、天城 雪野さんです」
と耳打ちした。

再び美華が反応するが、これもスルー。

「常に学年トップの成績を誇り、全国模試もトップクラス。運動部への応援参加での活躍もめざましい君が、なんでそんな同好会を作りたいんだ……」

遼はため息をつきながら、雪野に聞いた。

それは、雪野以外の全員が知りたい答えだったので、全員が雪野を固唾をのんで見守る。

「だって、退屈なんだもん」

帰ってきた答えは、雪野らしい理由だった。


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