学園戦隊 ドキドキ☆ビューティー
気の毒そうに頷くと、真美は遼から手を離し、キリッとした顔つきになった。

「同好会の成立についてですが。まず、メンバーは5人以上必要です。これは、もうクリアしていますね。
次に、顧問の先生が必要です。
もうどなたか先生の候補はありますか?」

事務的に話す真美を感心して見ていた雪野は、我に返って返事をする。

「あ、大丈夫です。これから交渉にいきますけど、絶対OKしてくれる筈なので」

軽く首をかしげた真美は、そのまま話を続ける。

さすがは副会長、すぐに動じたりしない様だ。

「では、これから渡す書類に、全員の学年、クラス、名前、を書いて、顧問の先生に渡し、先生のお名前と印鑑を頂いてきてください。その後生徒会会議にかけて、承認されれば同好会として成立し、部室の使用も許可します」

書類を探し、一枚を雪野に渡す。

「同好会は掛け持ちはできませんけど、他に所属してる方はいませんよね?」

真美が言うと、全員が頷いた。

「では問題有りません。書類を提出してくださいね」

真美が言い終わると、それまで黙っていた遼が、おもむろに口を開いた。

「書類が整えば、僕の権限で承認しよう。……ただし、約束は守れよ」

雪野に向かって言った後、ココと美華を睨み付ける。
この二人が危ないと思ったのだろう。

あながち間違いではないのだが、二人とも、約束したことは必ず守る。
もう少し信用して貰いたいな、と内心で講義する二人だった。



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