3人の き も ち
浮かれていただろうか?
部活動の練習中、合間の休憩で映樹の近くにきた圭吾が、
「お前、もうちょっと周り見ろよ。」
小声ながらもキツイ言い方をする。
バスケの話かと思って、映樹が見てンじゃん。と返すと、違う。と強く返された。
「なんだよ。」
「お前が何したいか、全然ワカンねぇ。」
休憩おわりー というマネージャーの声が聞こえる。
「どうしたいわけ、高原のこと。」
それだけ言って圭吾が離れる。
その日は最後まで、お互いに近づくことも話しかけることも無く。
一体なんだというのか。
どうしたいって?
余計なお世話だ。
映樹の中に、形のはっきりしない不満が姿を現す。
考えないできたことだ、と自覚はある。
なのに翌日、朝から亜矢子に捕まった。
「私言ったよね? 気を付けなよって」
そして睨まれた。