3人の き も ち
《亜矢子と圭吾》
今はまだ春休み。
でも数日後には3学年。
大勢で来た水族館。
通路の端の長椅子に腰掛けていると、ちょっとグチってイイ?
そう言って、杉本は隣に座り疲れた様に息を吐く。
どう思う?圭吾君。
と聞かれたので、なに?と問う。
「穂杉君の時は何も言われなかったンだよ?それこそ2人きりって時もあったのにさ。
なのに“宮越君が好きなの?”って、切ない顔して聞かれてさぁ…。」
そりゃ意外だと内心驚く横で、再び、はあ…とため息をつく杉本。
「おまけに映樹君の奴、なんで私が絡んでたのか、全く解ってなかったじゃん。
だからアイツにさ、ギャフンと言わせたい!」
思わずクククッと笑ってしまう。
だって俺も同じ。
映樹にギャフンと言わせたい。
だからひとつ、俺もバラしてやろう。