3人の き も ち
2節 He Classmate
1
新しい制服に身を包み登下校すること1ヶ月。
毎日が楽しくて、仕方ない。
高等科に進級して、晴れて高校生活が始まって。
弥生やえっくん…もとい、宮越君とは、クラスが離れてしまったけど、中等科から上がって来た子がほとんどだから、知り合いはけっこういるし、不安はない。
それでも各クラスに20人前後の
受験入学者がいて。
まさかの、彼が同級生。
しかも同じクラスで…。
―――入学式での新入生代表の挨拶に。
「穂杉 伸」
名前だけでも驚いたのに、ブレザーを着た彼が壇上に上がるのを見て、目眩がした。
…奇跡のようだ。
相変わらず、背が小さくて。
それでも中3の夏から5cm伸びて、今は141cmだぜって笑う彼に。
すごくドキドキする。
私が、彼の最初のクラスでの友達。
それが嬉しくって仕方がない。
初めて見たあの時から、穂杉君の笑顔が、心から離れないよ。
今朝もおはようって笑ってくれたよ。
…私…。
…ドキドキしてばかり…。
心がちっとも落ち着かない。