3人の き も ち


「お姉ちゃん何ため息ついてンの?」

「え…。」


1つ年下の妹 佳苗に顔を覗きこまれる。


自宅のリビングで読みたい本を広げて、でも30分もページが変わってないことに気が付く。


「なあにーお姉ちゃんってば、悩み事なのぉー?映樹さんとケンカした?」

「ち、違うわよ!…なんで、えっくんが出てくるのよっ。」

「だって最近遊びに行かないでしょ?」

「…。」


行けるわけ、ないじゃない。
用もないのに。
えっくんのお家に、穂杉君が…居るのに…。


「もしかして、…あの小さい居候くんのせい?あの子がお姉ちゃんに何か意地悪するの?」

「 ! 違うわよ!穂杉君はそんな人じゃないわよ!」

「穂杉君って……あ、…あー、ふーん?お姉ちゃん、その人のこと、好きなんだ?」


!!!!!


「ななななな、なに いって…。」


―沈黙―


「はぁ…。」

佳苗がため息をつく。

「映樹さんに、聞いてみてって言われたから、ちょこっとカマかけてみたら、…ふーん…そうなんだ…。」

それを聞いて、顔にかぁっと血がのぼってくるのを感じる。

えっくん何を佳苗に言ってるわけ?


す、すすす、好きって…。



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