3人の き も ち

あまり背の高い方ではない私(153)より、穂杉君は少し低い。
でも並んで歩けるのは嬉しい。

嬉しくて、ドキドキが止まらない。

「気分はどう?」

「あっ、お、落ち着いて、きた、よ…。」

「ホント? 良かった。もう少しだから。ここの角だっけ?曲がるの左?」


電車で最寄り駅に着いて歩くこと5、6分。
後5分もしないでうちに着く、T字路に差し掛かった。
ここから宮越君の家は真っ直ぐ行って15分位はかかる。


「も…もう、大丈夫だから…。カバン、ありがとう。」

「ダメ、家の前まで送る。」

「でも、」

「俺が送りたいの。…それとも、イヤかな…。」


えっ。

「い、イヤじゃ、ない。」


むしろ、すごく嬉しい。


私の返事に穂杉君はニコッと笑うと、「花村さんが言ってたんだ。」そう言った。


弥生が?
何を言ったのかな?



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