3人の き も ち
そうこう話しているうちに家に着いた。
「ありがとう、助かったです。」
「どーいたしまして。」
嬉しくて顔がにやけそうになるのを堪えて、お礼を言うと穂杉君もニッコリ笑う。
「…高原さんって笑うと可愛いんだな、映樹がピリピリしてンのがわかったわ。」
か…可愛いってっっ!
でも…ピリピリしてるって、何?
きっと、顔中に疑問符が表れていたんだと思う。
穂杉君は、クスッと笑って、「悪い虫がつかない様にってことだよ。」と言った。
ええええええ?
「じゃあ、帰るから。またね。」
動揺している私に気が付かないのか、穂杉君はさっさと道を戻っていってしまった。
ああ…いっちゃった…。
でも、可愛いなんて、好きな人に言われて嬉しいっ。
浮かれた気分で家に入った。