3人の き も ち
そんな事があって一週間、穂杉君の態度は何一つ変わらない。
自分の気持ちに気が付いて、片想いの辛さを。
こんなに、好きという気持ちや不安の涙を我慢しながら過ごす毎日を。
穂杉君は知らない。
辛い。なのに、大好きで…。
いつも心の中で思っている。
穂杉君大好きだよ、気が付いてって。
…でも、勇気が。
…振られるのが…。
「そっか、振られるのが…イヤかぁ。」
放課後の空き教室。
机に両肘をついて真っ赤な目を隠しもせずに顔を支え、私をジッと見つめる弥生が呟く。
椅子に後ろ向きに座る私が、困って視線を机に落とすと、クスッと小さく笑って、ごめんねってまた呟かれた。
当たり前だよね、と。
弥生は昨日、失恋した。
そう私に話したばかり。