3人の き も ち





すごく久しぶりに、宮越君の家で勉強してる、私と宮越君に、穂杉君。


「伸くーん、そろそろ出ましょうかー。」

開いたドアのむこうから、階下からのおばさんの声が聞こえる。


呼び掛けにパッと顔を上げた穂杉君は、がさがさとノート類をまとめて「今降ります。」そう部屋の外に大声をむけると、

「じゃあ、来週な。」

部屋の入口脇に置いたボストンバックにノートをしまい込みながら、こっちを見て言った。


今週末は実家に帰るそう。


「気を付けて、ね。」

「さっさと帰れ。」


宮越君の言い草に、苦笑しながら穂杉君は降りて行った。



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