3人の き も ち
「迷惑かけて、心配かけて、ごめんねって。ちゃんとマネージャーするからって、弥生が宮越君に伝えてねって、言ってたよ。」
頼まれていた伝言を話すと、宮越君は長めの前髪を左右に分ける様に片手でかき揚げて、刈り上げた襟足をガシガシ困った表情でかきむしる。
「花村が、ごめんって?」
「うん…。」
弥生が宮越君に伝えてって言った時、驚いたけど、……宮越君のこの態度は、相手を心配して悩んでいる感じだ。
…やっぱり…。
「知ってる…んだよ…ね?」
「えっ?」
「相手、弥生の好きな人。」
「うっ……。」
詰まった。
知ってるんだ、それで私には相談できない相手。
まさか……。