3人の き も ち
どうして。
こんな事になったのか、混乱する頭で考える。
…よく、判らない…。
判らないけど。
もう、逃げられないのだけは、解る。
芹沢先輩は、もう居ない。
ミホちゃん達も戻らない。
何故か、宮越君達までどこかに消えている。
テーブルには、穂杉君と2人きり。
穂杉君は、うっすら赤い顔でこっちに戻って来てから、一言も話さず何かを待つ様に、空っぽのコップばかり見てる。
―――後は任せて。早苗ちゃんはちゃんと、気持ちを伝えた方がいいよ。
去りぎわの、芹沢先輩の声が心に浮かんでくる。
ドキドキする気持ちを抑えたくて、両手でぎゅっと胸を握りしめる。
…深呼吸、して…。
「あ…の…………ほ、穂杉く…んが、…す…す…好き…です。つ…つき、あっ…て、下さいっ…!」