3人の き も ち

男女問わずに友人も増えて、高校生活も9ヶ月程経った頃。

女子バスケ部で一学年上の中林先輩に、何故か俺と高原さんが呼び出された。


「2人共、宮越の幼なじみでしょ? お願い。」

そう頼まれて。


先輩の話を聞きながら、そういえば、2〜3日前に男子バスケ部の花村マネージャーと、何やら話している姿を見かけた事を思い出して。


「花村は?」

思わず聞けば、不思議そうな顔をした後、先輩の表情が曇る。


「…あの子に…頼……んだら、無理って言われて、アンタ達なの!」


切実そうな表情で言われれば、それ以上の事は口に出来ず。

まあ、友情を深めたいって内容だし、そんなに気負うことも無いだろう。
そう思ったから俺は引き受けたけど、高原さんはどうなんだろう。

なんだかすごく緊張していたな。

とりあえず、部活が休みになる年末に入ってすぐの日にしようって、ことだけ決めて。
場所はお互い考えてきてそれから決めよう。
そこまでで、その日は終わった。



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