3人の き も ち
2節 This is The most he can do
映樹の家は、親父さんが病院経営者だからか、やたらとデカイ。
部屋のサイズも俺んちみたいなマンションサイズではなくて。
江戸間サイズだから、なお大きく見える。
広い玄関を入り、まっすぐリビングまで続く広い廊下。
両側には洗面所に風呂場の扉、トイレのドア、それに客間への入口。
リビングに入って右手側奥の、2Fに上がる階段をタンタンタンと軽快に上がる。
2Fには8畳間が2つに10畳間が1つ、3畳くらいの納戸があって、さらに3Fにも2部屋ある。
3Fは、宮越家の長男と次男が使っていたけど、2人共独立しているので今は空いている。
その3Fのどちらかの部屋を俺に使う様勧められたが、広すぎるので断って2Fの納戸を借りている。
廊下を挟んだ真向かいの8畳間2部屋が、映樹と三男の自室になっている。
「なんでそんな狭いとこ…。」
「俺んちの部屋と同じくらいじゃん。」
「…そーだな。」
最初に部屋へ荷物を運んだ時に、変な表情をしながらも、映樹はそう言って納得していた。