3人の き も ち


“出掛ける”と言っても思い浮かんだのが、あのアミューズメントパークで。

誘う際、どうなんだ俺。と内心ツッコミを入れていた。


そんなこんなで映樹に急かされての、初デートってヤツ。


友達じゃない女の子と、しかも2人で出掛けるなんて、今まで無い俺はどうしたらいいのか解らなくて。

恥ずかしがりの高原さんの性格に助けられた形の、皆と一緒。という普段と代わり映えのないものだった。



「可愛い服似合うねー。」

いつも通り、髪を1つのだんごみたいに丸めて、ふわっふわなワンピースに身を包んだ戸倉さんが、そう言われて笑っていて。

言った側の橋口さんは、対称的に肩で外ハネしてるショートカットに、長袖シャツにズボン姿。

その後ろでは、胸元まで伸ばしたワンレングスを珍しく結んでいない花村が、スーツ風の格好いいトレーニングウエアっぽい服を着ていて。

肩まで伸びるサラサラの髪に、ひらひらしたリボンの付いたシャツにスカート姿の高原さんと何か話している。



私服だとやっぱり皆の印象が違うな、なんて思いながら4人を見ていたら、後ろから軽くはたかれた。


「女の子をあんま見てんなよ、スケベっぽい。」

「なっ!な、に?!」



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