3人の き も ち



「もしかして、そうじゃナイかなーとは、思ってたけど…。」

「…悪いって、思ってンよ。」

「本当…ヒドイ男なんだねぇ、キャプテン。」


ため息と共にこぼされる言葉に、映樹は黙り込む。
渡り廊下の端、片や窓の外を眺め、片や窓枠にもたれ掛かり自分の足元に視線を落とす。


本当は

(こんな事花村に頼める立場じゃない)


昼休みの喧騒も薄い布越しに聞こえる様で、顔を上げて横を見ると弥生と目が合う。


「いいよ。」

「えっ…。」

「ただし、“仲の良い友人関係”まで。それ以上は協力しない。早苗の気持ちが優先だからね」


そう言って、弥生はプイッと視線を外へ向ける。

弥生の目には静かな怒りが浮かんでいる。それを映樹は見ずとも分かっていた。



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