3人の き も ち
(そりゃあ…腹も立つよな…)
いくら早苗の親友でも、普通は頼みも相談もしないだろう…こんな事は。
「これだから保護者って、穂杉くんに言われるんだけど。」
「…ソレはこないだ注意したし、高原へも謝らせた。」
「…ホントに…。」
呆れたように弥生はつぶやく。
「あーあ。ホント信じらんない。 好きな子の恋路を応援する手伝いとか。バッカじゃないの?」
言いざまに弥生は映樹の背中を叩く。
「十日も前にさ、振った相手に頼むかなぁ、普通。」
「…ごめん。」
「謝んないでよ。キャプテンが早苗を好きなの知ってて、告白してるんだからね。
そんなの含めてファンなんだから。」
弥生も窓枠に寄りかかり、足先を見ている。
映樹も少し同じ視線の先を見つめるが、スッと自分の足元に目線を戻す。
だって寄り添えないのだ。
自分の気持ちはずっと…。