苺時間。
「おべんとー!一緒に食べよー!」


へにゃりと目をたれ下げながら瞬くんが言った。

…かわいすぎるよ。


「はぁぁ…。希美と2人で食べたかったのに。しょうがないなぁ。」


しょうがない、と言いつつも美穂はいつも一緒に食べてあげる。


優しいからね。根は。


4人で輪になって食べる。


これはあんまり珍しくもない。


「あ!聞いて聞いてー!あのねー!今日席替えあるんだよー!」


目をキラキラさせながら瞬くんが言った。


「知ってる。」


冷ややかに美穂が言った。


「あ!もうそんなところまで広まってるんだー!」


「だって二番目あたりに聞いたのあたしだし。」

「一番目は俺らだもんなっ!光希!」


「…うん。」


「え?」


「だって前の席の子が…」


「ちげーよ。俺ら……細かく言えば瞬がムリヤリやまもっちゃんに頼んだんだよ。」


「瞬…。」


"ムリヤリ"という言葉に反応して美穂が冷ややかな目で瞬くんを見る。


「やゃっ!違うよ!?俺の今の席、つまんねーしさぁ。」


「まぁね。」


「確かに…。」


そう。今の席はみんなバラバラなのだ。


「だよなっ!?」


みんなが久々に同意してくれたことが嬉しかったのか身を乗り出して瞬くんが言った。


「瞬、アンタ暑苦しい。」


美穂さん…。冷たすぎ。



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