私の禁断の恋
「ん〜、じゃあメアド交換して、そしたらまたいつでも会えるでしょ?」
「あっ、はい……。」
まだ知り合ったばかりの人に教えるのはどうかとは思うけど、御礼がこれで済むなら……
と思って、私はポケットから携帯を取り出した。
「あっ、そうだ名前、聞いていいですか?」
私がそう聞くと、その人は私の耳元で囁いた。
「高杉龍介。」
えっ?
嘘でしょ?
私は耳元で囁やかれたことも驚いたけど、私が一番驚いたのは、高杉龍介と名乗られたことだった。
「何、冗談言ってるんですか、本当のこと言ってください。」
「冗談なんかじゃないよ?」
そう言って、サングラスを少しだけ外してくれた。
えっ?
本物?
私はあまりにも衝撃的で、唖然として声が出なかった。
「君の名前は?」
私は高杉龍介の声で、我に返った。
「北山舞歩です。」
「カワイイ名前だね。」
と、高杉龍介は笑顔で言った。
この人が高杉龍介だと知ったせいか、さっきより笑顔が輝いて見えた。
それは、彼がサングラスをしていても分かる。
その後、メアドを交換して高杉龍介とは別れた。