私の禁断の恋
お母さんは仕事でほとんど家に帰って来ない。
だから、家のことは全部私がしてる。
もちろん、ご飯を食べるのも1人。
忙しいのは分かるけど、少しくらい一緒にいる時間をつくってくれてもいいのにって思う。
だって、やっぱり1人は淋しいもん。
私は男の子に、授業が始まるからと言って屋上をあとにした。
教室に戻ると、親友の木村春佳が笑いながら駆け寄ってきた。
「舞歩また告白断ったんだぁ、もったいない。」
春佳が呆れたように言った。
「私は恋愛なんて興味無いの。」
「ふ〜ん、まっ、そのうち彼氏欲しい〜、とか言う日が来るでしょ♪」
「いや、来ないでしょ。」
私達がそうやって仲良く話ていると、1人の男の子が間に入ってきた。
「なぁに〜?マイチョまたふったの〜!?」
この子は私の一番の男友達の伊東芳樹。
ちなみに、“マイチョ”っていうのは私のあだ名らしい…。
「勿論!」
私は笑いながら言った。
「そんなこといつまでも言ってると先が思いやられるよ、好きな人でも作ったら?」
好きな人…そんなの舞斗以外いない。
でも言わない、だって言ったらきっと軽蔑されるから。
「よっくんこそどうなの?好きな人いるの?」
逆に聞いてみた。
すると、よっくんは俯いて、さっきより低い声で答えた。
「マイチョには関係無い。」
そう言って自分の席に戻った。
時計を見てみると、もうすぐ授業が始まる時間だったため、私達も席に着いた。