私の禁断の恋
「あっ、そうだ。せっかくだし、この辺を案内してほしいんですけど…いいですか?」
沙衣さんは私に話しかけてきた。
「私も、久し振りに日本に帰ってきたの。」
そう言って、沙衣さんは柔らかい笑顔を見せてきた。
「沙衣、遊びに来たんじゃねぇんだから、もういいだろ…。」
と、呆れたように舞斗は言った。
その時、私はあることに勘付いた。
この二人は、とても親しい関係なんだって。
まぁ、駄々の同級生と二人で日本にまで来るなんて無いだろうし…。
沙衣さんに嫉妬してしまう。
この人は、きっと私の知らない舞斗を知っているんだろうなって。
今の舞斗を知っているんだろうなって。
私が知っている舞斗はもう…過去なのかな?
そう思うと、胸がギュウッと締め付けられた。
そして……
この“二人”の中に、私は入れない――――…。