私の禁断の恋
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とりあえず、沙衣さんはまだ見たいお店などがあるらしくて、私達はその間に、お母さんに報告しに、家まで向かった。
「……久し振り…だね。」
「そうだな…。」
なんだかすごく緊張する。
だってもう、10年ぐらい経ってるんだもん。
舞斗だって、昔と違って本当に“男”って感じがするし…。
まぁ、この年になったら当たり前なんだけど…。
でも、私より遥かに高い身長で、手だって大きい。
こうやって見ると、昔の面影は確かに残ってる筈なんだけど、やっぱり別人みたい。
そんなことを思いながら、ジッと舞斗を見ていると、さすがに視線に気付いたらしく、私の方を見て
「どうした?」って言った。
「な…なんでも。」
私は慌てて、目を逸らした。
今は舞斗と目を合わせるのは、無理かも。
いや、今だけじゃ無理かも。
だって、また好きになっちゃうから…。
やっと、舞斗から離れられたのに、こんなんじゃ後戻りだよ。
それから、私達は一度も会話をせずに家に着いた。