私の禁断の恋
第六章 罪
「どうして、此処にいるの…?」
お母さんは震えた声で言った。
「早く此処から出て行って!」
顔を真っ赤にして、急に怒鳴り声を上げたお母さんの目には、涙が溜まっていた。
「親父のことは知っているのか?」
舞斗がお母さんを睨みながら、低い声で言った。
お母さんを見ると、いつの間にか涙は乾いて、下を向きながら黙っていた。
お母さん、知ってたのかな?
私は今ある状況に、何も出来ずにただ見ていることしか出来なかった。
「こっちに来なさい…。」
お母さんは諦めたように、私達をテーブルの方に手招きした。
私達もそれに従い、椅子に座った。
すると、お母さんは大きく息を吸って、吐いた。
「お父さんとは離婚しようと思ってるの……。」
その言葉に私は驚いて、目を見開いた。
舞斗を見ると、平然な顔をしている。
この話を聞いて、驚かないのかな?
私はもう一度、お母さんの方に向き直った。