たからもの。


音楽室についても、神崎はダラけたままで。


「ダリィ」と言ってすぐ椅子に座り、立とうとしない。



「ったく…」



私は小声でそう呟いた。


いちいちだらし無いコイツに付きまとってる暇なんてない。


私は神崎をほっといて、センコーが来るのを待った。


センコーの名前は速水。


ぐだぐだ細かいことを言ってくる、ウザイ奴。



「はい。それじゃあ、62ページ開いて。そこ歌うから」



速水は入ってくるなりそう言った。



「…神崎君?早く開いてくれない?みんな迷惑してるんだけど」



全然きこうとしない神崎に、速水は突然



「そう。歌いたくないならいいけど。そのかわり伴奏しなさい。それが嫌なら歌いなさい」



いやいやいやいや。

普通に無理でしょ。
アイツが伴奏とか。



まぁ観念して歌いなさい、神崎 龍。







とか思ってたら。





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