たからもの。
否定
―――お前の人生が、親のモノになってる―――
さっき、神崎は確かにそういった。
あの時、まるで自分の心を見透かされたような気がした。
ホントは自分でもわかってた。
いつもいつも、生きてる心地がしなくて、自分の人生なのに自分のモノじゃない気がして。
なんでだろう。
アイツは…
神崎は、私が誰にも知られずにずっとずっと隠しつづけてきた心を、簡単に見つけだす。
どうしてアイツには私の気持ちがわかるの?
私の中で、得体の知れない感情が大きくなっていく。
この気持ちは何?