たからもの。

意外な一面



昼休み。




私はお弁当をもって、屋上へと向かう。


ざわざわうるさい教室よりも、静かな屋上の方が落ち着く。






屋上に行くと、先客一名。









神崎だった。





神崎はゆっくり振り返ると、




「なんでてめぇがここにくんだよ」




と言った。




「それはこっちのセリフ。私はいつもここで昼食を食べてんの」




私はすわってお弁当の包みを開く。




「香宮はさ、俺のこと怖いとか思わねーの?」




―グシャ―




いま…今、香宮って言ったよね?


私のこと、初めてまともに名前で呼んだ。








...ん?

さっき、グシャって…







< 21 / 27 >

この作品をシェア

pagetop