たからもの。
意外な一面
昼休み。
私はお弁当をもって、屋上へと向かう。
ざわざわうるさい教室よりも、静かな屋上の方が落ち着く。
屋上に行くと、先客一名。
神崎だった。
神崎はゆっくり振り返ると、
「なんでてめぇがここにくんだよ」
と言った。
「それはこっちのセリフ。私はいつもここで昼食を食べてんの」
私はすわってお弁当の包みを開く。
「香宮はさ、俺のこと怖いとか思わねーの?」
―グシャ―
いま…今、香宮って言ったよね?
私のこと、初めてまともに名前で呼んだ。
...ん?
さっき、グシャって…