たからもの。
担任は、歯切れの悪い口調で喋りだした。
「え~っと、転校生がいます。もう教室に入っちゃってるみたいだけどね。じゃ、前に来て」
「かったるい。行く意味がねぇ」
アイツは担任を睨みつけて、めんどくさそうに言った。
担任は、情けないことに少し脅えてる。
「あ…はい。えっと、彼の名前は神崎 龍くん。みんな仲良くね」
もうアイツについては触れたくないらしく、それだけ言うと話をかえた。
私はアイツをちらっと見る。
切れ長な目、
キュッと引き締まった口元。
…うん。
やっぱイケメン。
普通にしてれば女がわらわらよってくる顔。
でもアイツは、なんていうか人を寄せ付けないオーラをはなっていて。
『誰とも仲良くなんてしたくない。近寄るな』
って感じ。