%私vs国連%

ラスボスも、たまにはいい事を言う。

かくして、私は、おねしょをしたことをばらされることはなかったが。


「あれ?DSは?」


「ごめん、今日遊べないんだ。ママに家のお手伝いしなさいって言われて」


「そっか。んじゃ、また今度な!」


れい君たちは、私に背を向けると、あっさりと走り去っていった。


はぁ。

思わず漏れたため息。


任務にしくじると、こういう目にあうのだ。


家に帰ると、私には洗濯物を干す、という重大な使命が待っていた。


「ほら!自分のなんだから、ちゃんと自分で干しなさい」


私が学校へ行っている間にやっておいけばいいのに、

という愚痴はこぼさず、素直に、はいと頷く。


従順なふりをして、彼女のご機嫌をとらなくてはならない。

なんせ、DSの使用許可は、彼女がくだすのだ。

それに、もうすぐ一年のうちで最も重大なイベントであるクリスマスがやってくる。


今年は、なんとしても新発売のゲームソフト、

“ピッカ~とかポチャ~とかの声優さんは、毎回録音しているの?

そしてギャラは他の声優さんたちと同じなの?”

をゲットしなくてはならない。





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