%私vs国連%
「ちっ!面倒な」
その地図は、私の体の2倍以上もある大きさで、
はずすのには、かなりの体力を消耗する。
おまけに、つんとする匂いが鼻をつき、
私は、思わず顔をしかめた。
地図を持ち去られないための防衛工作に違いない。
しかし、どんな苦難があろうとも、私はこの任務を果たさねばならないのだ。
この、最重要任務を。
焦れば焦るほど、うまく動かない自分の親指がもどかしい。
時間のないときに限って、失敗をしてしまうのは仕方のないことなのか。
普段は器用な私の指がぶるぶると震え、勢いでチャックが布に食い込んでしまった。
くそっ!
天は、我を見放したのか。
必死でチャックを動かそうと力を入れるが、余計に食い込んで、
無常にも、まるで動く気配をみせない。
私の額を、一筋の汗が流れた。
その時。