%私vs国連%
なんとか地図を引っぺがすことに成功し、小さく丸めると、それを小脇に抱え、
私はゆっくりと扉を開いた。
首だけを出して、そっと左右を確認する。
よし、誰もいない。
足音を忍ばせて廊下へ出ると、一段、一段、慎重に階段を降りた。
以前、ここで気を抜いてラスボスに見つかりかけたことがあるので、
自然と肩に力が入ってしまう。
ラスボスは、奥の部屋でテレビに興じているらしく、そちらから物音がしている。
私は、もちろん、ラスボスにつていの知識も収集済みだ。
やつはこの時間、イニシャル占いなるものを見るために、
テレビに釘付けのはずだ。
むろん、ボスと同じ行動パターンをとる小ボスも、
テレビの前に座っているはずなのだ。
目的の地へたどり着くためには、
連中が揃っているこの部屋の前を通過しなくてはならない。
もっとも危険なこの場所を通過するのは、並大抵の勇気では不可能だ。
だが。
私は、もはや冷たくなった世界地図を持つ手に力を込めた。
やるなら今しかない!!