%私vs国連%

先に食事を終えた小ボスは、私が食べ終わっていないというのに、

ご馳走様を言うと、さっさと歯を磨きに洗面所へ向かってしまった。


まったく。

ご馳走様を一緒に言おうとかいう気はないのかね。


面と向かって言えば、血をみる惨事になることは経験済みであるので、

私はぐっとこらえて言葉を飲み込んだ。

これが、男の余裕というものだ。


大ボスも食事を終えると、さっさとその場から引き上げていく。


あっという間にその場は私一人になったが、むしろその方が好都合だ。

これで、ゆっくりとデザートを堪能できる。


主食を食べ終わらないと、デザートを食べてはいけないと、

常々学校の先生に指導を受けているのだ。

だから私は、嫌いな生野菜も頑張って口にする。

まさに、男の鏡だ。


私が、好物のバナナとヨーグルトを口に入れた瞬間、

しかし、その静寂は小ボスの甲高い悲鳴によって破られた。


「きゃあ~!!!!」





< 9 / 17 >

この作品をシェア

pagetop