【短編】ギター少女とヘビースモーカー


もう、教室には数人しか残っていなかった

午後から部活がある人が、お弁当を食べ始めてる


私たちは、かれこれ20分くらい口論(ただの数学の質問だけど)をしていたみたい


「キミさぁ なんでこんなとこにいるわけ?」

こんなとこって…Cクラスのこと?

なめてんの? バカだから以外に何があるってゆーの


「今の質問、かなりキワドイよー?

ホントは頭いーんじゃないの?」

先生とは、あの校門のときとか廊下でとか、少ししゃべったことはあるけど

いつもとは全然違う話し方だった


「んなわけないですよ 私バカですもん」

「いんや ハナっからバカだって自分で決め付けてるだけ

第一、この学校入ってこれたんだから、昔は勉強できたんでしょ?」


まあ…中学のときは、それなりに頑張ってた

そういえば、数学が一番好きだったかもしれない


「才能あると思うけどなー

どう?いっちょ、先生の授業、ちゃんと受けてみない?」

嬉しそうな、楽しそうな。

なんで、今日はそんなに機嫌いーの?


「じゃあ、これからは、ちゃんと授業受けるし宿題もするんで」

ニコニコ笑ってる先生に、真っ直ぐな視線を送った

「先生ギターできますか?」




< 12 / 32 >

この作品をシェア

pagetop