【短編】ギター少女とヘビースモーカー
とりあえず力だめし、ってことで、私達は一曲歌った
先生がここにきたのは、今日が初めて
見られるのなんて慣れてるけど、じっくり…観察されてるみたいで、緊張してしまう
でも、みんなの演奏は完璧で、迷惑かけるわけにはいかないから
先生の方を見ないように、いないみたいに考えて、いつもより大きい声で歌った
まさか…OKしてもらえるとは、思ってなかった
なのに、数学バナシでテンションの上がった先生は、軽くいいよって
あれって、テンションが上がって、つい?とも思ったけど、この汗だくになるハイテンション
バンドも、好きなんだ
「すげー キミら、すごーい」
端によせられた机に腰かけて、拍手しながら言った
「aikoの『飛行機』」
「先生知ってるんですかー?」
「うん バイオリンのとこのギターのアレンジ、いいわー」
ギターのユリは、褒められて嬉しそうで、私まで嬉しくなる
「歌かわいーね」
えっ…
先生は、ドラムの方へ行った
え…
それって、曲が、ってこと?
え それならaikoに言ってよって感じだしそれなら
…私…のこと褒めてくれた?