【短編】ギター少女とヘビースモーカー


私達は毎日練習してるけど、先生は毎日来るってわけではない

そりゃー、一応教師って職業だし

色々大変なんだそーで


夏の暑さは増すばかりで、さすがに風を感じる余裕なんてなくなって、クーラーを入れた



補習が終わったら、学校に行く必要もない

軽音部は部活と行っても、好きなときに好きなようにすればよくて、行かなくてもいい

補習が終わって、8月はほとんど学校に行かなかった


2学期の始めに、テストがあった

高校になって、初めてテスト勉強をした

…数学だけだけど


そしたら、見たこともない点数が返ってきた

自分でも、かなり焦った


返すときの先生の顔といったら

まるで自分がいい点取ったみたいな

言っとくけど、アンタは何にもしてないんっすけど


でもその顔があんまりにも嬉しそうだから、もー何でもいーやって思った

そして、ちょっと自惚れてしまう

もしかして私は、先生のお気に入りになれたんだろうか

…なんて


そんなちょっとした希望だけで、学校に遅刻しないようになってしまう

自分がちょっと恥ずかしい

でも、どーやってもそうなってしまうんだから、それはそれで仕方ない



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