【短編】ギター少女とヘビースモーカー
でもそんな浮ついた考えは、一瞬で砕け散ってしまう
なんてことない
例えば、質問をしに行ってみたりとか
廊下で挨拶するときとか
その表情 一つで
私は感じ取ってしまう
ただの生徒だってことを
ラインは、越えられないことを
2学期になって、やっと、曲を決めた
『二人』
「aiko好きなんだねー」
「あー…まあ」
先生は、軽くいいよって言った
ギターは先生がやるから、ユリはキーボードをすることになった
曲は決めたものの、私も練習はサッパリ…
楽譜を受け取って、先生は話の輪の中からスッと抜けて行った
「あれー?先生どこ行くんですかー?」
「あー… もう今日はー」
先生は、そっと振り向いた
「えー!何か用事あるんですかー!?」
「あー……まあ」
練習しとくね、って、先生は、背中を見せた
そそくさと過ぎ行く足音
ムカつく…
なんで、言ってくれないんだ
いつもそう