【短編】ギター少女とヘビースモーカー
この人は、ただの数学バカで、ヘビースモーカー
何も言わないのは、説明するのが面倒なだけ
「先生って、数学とタバコ引いたら、何が残るんですか?」
「うわ ひっど」
笑ったらまた、口から煙がこぼれた
「確かに、なんもないかも 実際」
先生は真剣な目で答えた
その答えに、私は満足した
先生との間に感じてた巨大なカベは、思ったより大きくないのかもしれない
そう思えたから
「あ 違う」
「?」
夏服の裾が、ヒラヒラと揺れる
「今はギターがある」